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ボルトの秘密は”トカゲ走り”

【参考図書】

「2009年秋期集中講座」を私と一緒にお楽しみください!

  • 高岡英夫[語り手]
  • 運動科学者。「ゆる」開発者。現在、運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長・推進委員。東京大学、同大学院教育学研究科卒。東大大学院時代に西洋科学と東洋哲学を統合した「運動科学」を創始し、オリンピック選手、芸術家などを指導しながら、年齢・性別を問わず幅広い人々の身体・脳機能を高める「ゆる体操」「ゆる呼吸法」「ゆるウォーク」「ゆるスキー」「歌ゆる」を開発。

一流スポーツ選手から主婦・高齢者や運動嫌いの人まで、多くの人々に支持されている。大学・病院・企業などの研究機関と共同研究を進める一方、地方公共団体の健康増進計画での運動療法責任者も務める。ビデオ、DVD多数、著書は80冊を越える。

やってくれたぜ、ウサイン・ボルト!!(2009.08.26 掲載)

※この記事は運動科学総合研究所発行の『2009秋期集中講座のご案内』に掲載された高岡英夫のコメントを転載したものです。

ウサイン・ボルトという決定的な事件

とうとう決定的な事件が起こりました。それは、陸上短距離のウサイン・ボルト選手が北京五輪に続き、またそれをはるかに凌駕する驚異のパフォーマンス、そしてその結果としての記録(※)を達成してくれたことです。(※男子100mで9秒58の世界新記録、200mで19秒19の世界新記録、400mリレーで37秒31の大会新記録で北京五輪に続き3冠を達成)

昨年「週刊文春」誌上で語らせていただいたことですが、近年ポーラ・ラドクリフ選手、末續慎吾選手という、陸上競技の中で長距離と短距離の両面から「トカゲ走り」をするアスリートが現れました。それは世界の陸上競技、言い換えれば走運動という人類にとって最も普遍的な身体運動の領域で、時代の大変革を起こすであろう走りのメカニズムであると私が予測していたことを2003年に論文としてWebサイトで発表させていただいたように、まさに画期的な出来事だったのです。

  • ウサイン・ボルトの「トカゲ走り」
  • クリックするとボルトの「トカゲ走り」アニメーションが
    ご覧になれます。

「トカゲ走り」の波動運動こそが今日までの身体運動の常識を打ち破る根幹となる

それから5年経って、ようやく私の予測と期待通りにウサイン・ボルトという選手が、きわめて衝撃的で凄まじいパフォーマンスをもって、その予兆を本格的な潮流として深く刻印することになりました。

しかし、それでも大変惜しいことに人々の思いには、何らかの偶然なんじゃないの…という所が少なからずありました。そしてその流れを受けての今回のパフォーマンスは、いよいよ決定的な事件と言って良いものと思います。このことによってかねてより理論的にも、トレーニング方法の上でもゆる体操の主要部分である全身の波動運動=体をクネクネさせる(ゆる体操でいえば「魚クネクネ体操」「波チャップン体操」などに含まれる)運動が、さきほども申したように人類にとって最も普遍的運動である走運動において、今日までのパフォーマンスを圧倒的に越えるまったく新しい能力を発揮しうる根幹となる運動方法であることが実証されたということなのです。

そして、この天才の身体は、さらに根幹となるトップ・センターをサイド・センターと見事なバランスをもって変動的、流動的にダイナミック・センターとして機能させつつ、上丹田、中丹田、下丹田の三丹田の全てを従えて、壮麗とも言える身体意識の構造を形成しているのです。背骨がゆるゆるにゆるんでいること、裏転子と踵力による素晴らしい推進力を備えていることは、今さら語るまでもないことでしょう。

このことはゆる体操や私のさまざまな専門的なトレーニング法を理解し、愛する皆さんにとっても大きな喜びとともに、決定的ともいえる自信の背景になりうることだと思います。

どうぞ私どもが提案し、皆様がそれに共感をもって取り組んでくださる講座というものを、また新たな視野に立って楽しみながら人生に活かしていただけたら素晴しいことと思います。今年の秋の陣では、「Newインナーマッスル初級Ⅱ・リアスクワット徹底鍛錬編」という新しい講座を発進するとともに、すでに発表している講座についても、この大事件から発する力強い感動と喜びのパワーをもって、トレーニング方法、学びやすさ、そして楽しく脳疲労を取るための新たな工夫などを加え、皆さんをお迎えしたいと思っています。

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